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大使に聞く!国際的な麻布十番商店街ーリトアニア共和国大使館

 

300年以上の歴史を持つ老舗が軒を連ねる一方で、多様な国際色があふれ、街の個性を彩る麻布十番商店街。周辺に多くの大使館があるため、商店街を歩いていると大使に出会うこともしばしばあります。今回は、2022年から駐日リトアニア共和国大使館の大使を務めるオーレリウス・ジーカス駐日リトアニア共和国特命全権大使に、お話をお伺いしました。2025年5月のギターナス・ナウセーダ・リトアニア共和国大統領の訪日をはじめ、麻布十番商店街とのこれまでの交流や今後のつながり、そして多くの日本人がまだ知らないリトアニアの魅力について語っていただきました。

 

大使着任から3年。リトアニアと麻布十番商店街との交流

 

編集部:ジーカス大使が着任されて3年経ちました。麻布十番とはどのように交流を深めていますか?

 

ジーカス大使:麻布十番商店街では、多くのイベントに参加することで商店街の皆さまと交流を深めています。例えば、稲荷神社の例祭では皆さんと一緒に神輿を担ぎます。私は身長が高いため、なかなか大変ですが、神輿を担ぐときの独特な雰囲気はとても楽しいですね。麻布十番商店街の皆様と大晦日は賢崇寺にて除夜の鐘をつき、新年は麻布十番稲荷神社にて両国の友好発展、世界平和を願いご祈祷をして頂いています。また、麻布十番商店街振興組合の新年会では、リトアニアの魅力についてお話しさせていただきました。さらに毎年8月末に開催される納涼祭りに、リトアニア大使館は10年連続で出展させていただいており、今年も出展いたします。

 

編集部:5月にリトアニアのナウセーダ大統領が訪日され、麻布十番商店街からは五葉松の盆栽が贈呈されました。その際の大統領の様子について、お聞かせいただけますか。

 

ジーカス大使:ナウセーダ大統領は、リトアニアでも盆栽を育てておられるほどの愛好家です。麻布十番商店街の皆さまから五葉松の盆栽をいただいた際は、大変おどろかれ、心から喜んでおられました。いただいた盆栽は本国に持ち帰りたいご意向もあったようですが、残念ながら植物検疫の関係で持ち帰ることが非常に難しく、現在は麻布十番にある駐日リトアニア大使館にて大切に飾らせていただいております。大統領が再び訪日される際には、盆栽の成長をご覧いただけることを楽しみにしております。私自身も、心を込めて大切に育ててまいります。麻布十番商店街の皆さまには、改めて心より感謝申し上げます。

 

 

2025年麻布十番納涼まつりに出店決定

 

編集部:毎年、約30万人のお客様が2日間で訪れる麻布十番納涼まつりでは、どのようなリトアニアの魅力を体験できますか?

 

ジーカス大使:今年のリトアニア大使館のブースでは、リトアニアを代表する飲み物であるビールやミード(はちみつ酒)などをご紹介する予定です。リトアニアでは、ビールの歴史は約500年と非常に古く、清らかな水と自国で育てたホップを使用して、さまざまな種類のビールが造られています。残念ながら日本国内ではリトアニア産のビールを手に入れられる場所は限られていますが、麻布十番納涼まつりでは、黒ビールなどの伝統的なリトアニアのビールから、クラフトビールまで、数種類のリトアニアビールを実際にお楽しみいただけます。

 

編集部:出店場所はどのあたりになりますか?

 

ジーカス大使:リトアニア大使館は、平野屋紙文具店さんの前に出店いたします。平野屋紙文具店さんとは家族ぐるみでお付き合いさせていただいており、一緒に食事をしたり、娘や妻もよくお店で文房具を見させていただいています。和紙をはじめ、日本のさまざまな文房具やレターセットなどが揃っており、毎回訪れるたびに楽しませていただいています。

 

 

 

マヨネーズの卵はリトアニア産!知られざる日本とのつながり

 

編集部:リトアニアについてまだよく知らない方向けに、リトアニアとはどのような国か教えてください。

 

ジーカス大使:リトアニアは森林と湖に恵まれた豊かな国です。森林や湖に関する文化や食が多く残っています。観光シーズンは5月から10月で、夏はとても涼しく過ごしやすいのが特徴です。ぜひ日本の皆さんには、夏をリトアニアで過ごしていただければと思います。冬はとても寒いですが、クリスマスマーケットはとても華やかで楽しむことができます。近年では、周辺国の戦争などの影響もあり、エネルギー資源の自給率や食料自給率の向上にも取り組んでおり、IT産業の育成にも力を入れています。

 

編集部:日本とリトアニアはどのような交流を行っていますか?

 

ジーカス大使:日本とリトアニアは、経済・文化の両面で良好な関係を築いています。リトアニアは日本から遠い国と感じる方もいるかもしれませんが、実は私たちの身近なところに、リトアニア産の農産物などが存在しています。リトアニアは食料自給率が100%を超える国で、日本にも食料品を輸出しています。たとえば、マヨネーズに使用されている卵はリトアニアからの輸入品です。また、有名なファミリーレストランで提供されているエスカルゴも、実はリトアニア産です。

 

 

麻布十番商店街から広がる両国の文化交流

 

編集部:麻布十番商店街を訪れた、リトアニアの方々の感想をお聞かせください。

 

ジーカス大使:東京には高層ビルが立ち並ぶエリアが多く、都会的な印象が強い中、麻布十番商店街を訪れると「心が落ち着く」と話す方が多くいらっしゃいます。麻布十番商店街は、リトアニアでいえば「旧市街」に近い印象の街で、江戸の風情と近年のトレンドが共存するこの商店街では、時代を超えた魅力を幅広く楽しむことができます。私自身も商店街の皆さまと日々交流を重ねていますが、皆さん本当に温かく、歩いていると「大使!」と気さくに声をかけてくださいます。麻布十番商店街は、まるで自分の「ホーム」のような温かさを感じられる場所だと、多くの方がおっしゃっています。

 

 

編集部:大使が今後、麻布十番商店街との関わりで期待することを教えてください。

 

ジーカス大使:麻布十番は、昔ながらの伝統や文化が色濃く残る一方で、とても国際的な場所でもあります。多くの外国人が暮らし、日本の文化と国際性が見事に融合し、バランスの取れた街です。文化面においても両国の友好がさらに深まることを願い、人と文化がより一層溶け合う場になればと考えています。まずは、2025年8月23日〜24日に麻布十番商店街で開催される麻布十番納涼まつりにぜひ足をお運びいただき、リトアニアの食文化を存分にお楽しみいただければと思います。

 

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